―SH型貫入試験機を用いた調査と研究―

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平成19年度砂防学会賞「砂防技術賞」受賞について

 平成19年度砂防学会(福井市、5月23日)において、「SH型簡易貫入試験機の開発と適用」の業績が認められ、平成19年度砂防学会賞「砂防技術賞」を受賞しました。


 《受賞者》

    内田太郎  (国土交通省砂防部砂防計画課計画係長)
    吉岡英幸  (神奈川県藤沢土木事務所河川砂防第3課長)
    原 義文  (長野県砂防課長)
    瀬尾克美   ((株)日さく常務執行役員、元(財)砂防・地すべり技術センター専務理事)
    長谷川秀三  (ジオグリーンテック(株)代表取締役社長)


 《対象業績》

   『SH型簡易貫入試験機の開発と適用』


《受賞の理由》

 SH型簡易貫入試験機は、(財)砂防・地すべり技術センター及びジオグリーンテック(株)により開発された斜面の表層構造調査用の簡易貫入試験機である。従来の簡易貫入試験機は、地表下約5mより浅い地下構造を把握するために開発されたものである。しかし、その貫入力が強く表層崩壊のすべり面となる地表下2m程度の測定には適していないため改良されたものである。重錘を3Kgと2Kgに分割し着脱可能な構造とすることにより、比較的やわらかな土層の測定精度が向上できるようになった。同時に一打撃毎の貫入量の測定が可能なデータロガーを開発し、より詳細な土層構造を把握し、崩壊深を推定することを可能とした。同試験機を神奈川県及び長野県において風化土層厚の把握や段丘斜面における土層状況の把握に適用し、コストを抑えながら表層崩壊すべり面を的確にとらえることができることを示した上で、急傾斜地崩壊対策計画の立案及び施設の設計が合理化できた事例を示した。これらの成果は、今後の斜面対策施設の適切な設計や工事における安全管理に大いに寄与するものと考えられる。本成果は、平成14年、16年、17年の各年度の砂防学会研究発表会概要集に掲載された。

(引用:社団法人砂防学会 平成19年度通常総会 資料8)




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